狂熱のふたり　豪華本「マルメロ草紙」はこうして生まれた

2013年に集英社から定価35,000円・限定150部で刊行された幻の豪華本『マルメロ草紙』の制作過程に密着したドキュメンタリー。小説家、文筆家、評論家、デザイナー、演出家、ニット作家などさまざまな顔を持つ、作家・橋本治の二十世紀初頭のパリを舞台にした耽美小説を、“現代の浮世絵師”とも称される異能の画家・岡田嘉夫の挿絵で濃艶に彩った、アールデコの優美さに貫かれた途轍もなく美しい本『マルメロ草紙』。着手から刊行まで8年を費やし試行錯誤を重ねたその制作過程に密着し、ふたりのクリエーターが挑んだ「本というものの可能性」への追求が描かれる。監督は、これまでに伊丹十三、宮崎駿、深作欣二らのドキュメンタリーを制作してきた浦谷年良。